2016年11月22日(火)
母校の中学一年生の総合学習の時間に『卒業生からのメッセージ』と題して
武藤和子さん(昭和22年卒業)
吉川明代さん(昭和43年卒業)
佐々木民奈子さん(昭和59年卒業)の3名の同窓生が招かれ
生徒の皆様に向けてお話をされました。
武藤和子さんは、昭和20年6月19日の静岡空襲の際に、優しい先生方や友人と共に過ごした、昭和元年校舎(ヴォ―リズ建築)が目の前で焼け落ちてしまい大変悲しい思いをされたことを語られました。
当時は学徒動員で制服を着ることも許されず、戦闘帽にかーき色の服を身にまとい、軍事工場へと通った日々の中でしたが、礼拝を守る日々を送れたことに、当時の室田有校長先生に感謝をされていました。若き姉妹たちへのメッセージとして、制服もきちんと着れる恵まれた今の状況の中で、自身のゆく道を探し学んでくださいと語られ、室田有効長先生が思いを込めて作られた校歌にある、『はえあれ とわに 静岡英和』の歌詞を何度も復唱されていました。
吉川明代さんはクリスチャンでもあり、静岡英和女学院に入学後出会った宣教師の先生との英会話の中で、英語に大変興味を持ったことから英語が好きになり、中学三年の時にミンデモーヤ奨学金(カナダのミンデモーヤ教会からの献金の一部を英和に送っていただいたもの)の最初の生徒として、卒業するまでの4年間奨学金を受けられました。
この奨学金が神様からの応援となり、ご両親が妹さんをも静岡英和女学院に入学させる決心をされたことを語られました。
又、ご自身の人生の岐路に立った時に、ヘルマン・セッセの「車輪の下」の~人のいいなりにならず、自分の得意の道へ進むことが幸せ~の言葉を信じ国際基督教大学(ICU)への進学を決心されました。
ご自身の英語を学んだ経験を通して人生の視野が広がり多くの人と交わりができた、いろいろなことに勇気を持って挑戦してほしいと、若き姉妹たちへメッセージを送られました。
佐々木民奈子さんは、静岡英和女学院に入学した当時の岩井マリ子先生のアメリカ留学体験からの「世界は広い世界へ出ていく」という教えに興味を持ち、英会話の授業を通じて留学と言う夢を実現されました。
留学先で色々な国籍の人と出会い、どう交わりを持て良いかと思い悩んだ時に『自分を愛するように隣人を愛しなさい』の学院聖句の教えを心に留め、色々な人に声をかけ多くの友人をつくられたことを語られました。
留学後フェリス女学院大学文学部英文学科に進学され更に英語を学び、山形放送のアナウンサーとして多くの番組を担当されました。
現在は、二人のお嬢様の成長を見守りながら、フリーのアナウンサーとしてご自身が言われた様に、英語力を生かした仕事も含め「今を生き自分を信じる」生き方をされていらっしゃいます。英和で自分の夢を見つける為には、自分の周りにいる人に興味を持って、自分の好きな事を大切にして学院生活を送って欲しいと姉妹たちへメッセージを送られました。
会の初めの今井喜久枝同窓会長のご挨拶の中にも有りましたように、静岡英和女学院は創立以来多くの困難やそれに勝る喜びを130年の歴史の中に刻んで参りました。
この歴史の主役は多くの先輩の皆様であり、その時々に熱心に教育に当たってくださった先生方です。
これからも『はえあれ とわに 静岡英和』の歌詞にあるように、静岡英和の歴史は先生方と英和生の皆様で刻んで行かれることでしょう。